トンネル内の物視認性向上に関する研究

一般的に、高速道路の事故死亡率は一般国道の約3倍、夜間の死亡率が昼間の約3倍[1]と言われています。高速道路の照明環境を発展させることで、トンネル内や夜間の事故件数減少に繋がると考え、日々研究を行っています。 研究では、長さ5mにおよぶ1/24スケールのトンネル模型と、照明灯具を模したLEDを使い、光の配光や点灯条件、照明色を制御することで、先行車両や落下物指標の視認性評価を行っています。また、光学シミュレーションによる照明設計の最適化や、共同研究を行っている企業と協力して実際のトンネルを用いた評価を行っています。

[1] Yoshihisa Ikeda et al., Proceedings of the 29th CIE SESSION, PO175, pp-1711-1719 (2019). [2] Kenji Miyake et al., Journal of Science and Technology in Lighting Vol.42, pp.22-28 (2018).
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トンネル模型を用いた視認性評価

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低位置道路照明の光学シミュレーション

低位置照明点灯制御による車両速度抑制に関する研究

高速道路既設の照明設備を利用し、渋滞発生の抑制を目的とした照明としてペースメーカーライトが導入されるなど、照度確保以外の機能を持たせた高付加価値照明が登場しています。 研究では高速道路模型を使って、低位置照明の点灯をただ移動させるだけではなく、点灯パターンを変化させることで、ドライバーにベクション(視覚誘導性自己運動感覚)と呼ばれる錯覚を起こさせ、体感速度を速く感じさせることで走行速度を抑制させる研究をしています。

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低位置照明を実装した高速道路模型

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走行実験用車両を用いた実験風景

車両灯火配置が安全性に及ぼす影響に関する研究

追突事故は類型別交通事故発生件数が一番多く、後続車両に自車の「制動」や「方向指示」を伝える車両灯火の役割は重要です。LED光源の登場により灯火設計の自由度が高くなったことから、より安全性を重視した車両灯火の研究を行っています。 研究では、本来車両灯火に必要とされている安全性に関する機能が損なわれないためのガイドラインを設定するため、灯火配置や個数、形状が後続車両ドライバーの反応に及ぼす影響について研究しています。

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車両灯火評価用装置

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被験者実験の様子